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Q2 集落営農を法人化するメリット  集落営農を法人化するメリットは何ですか。

1 経営上のメリット
集落営農を法人化した場合のメリットは、
① 経営責任に対する自覚が生まれ、経営者としての意識改革が図られること
② 対外的・社会的信用力の向上や経営の多角化などによる経営発展も期待できること
③ 地域の雇用の場となったり、経営の円滑な継承が期待できること
などの一般的な法人化のメリットに加え、集落営農を法人化した場合は任意組織から法人格をもつことになることから、
④ 農地の利用権等の権利主体となれること
⑤ 継続的・安定的な経営主体となれること
などのメリットを有しています。
このように、集落営農を法人化することにより、集落の農地を法人の下で一括して計画的に利用し、労働力の軽減やコスト低減が図られるとともに、対外信用力の向上等により、経営発展の可能性が出てきますので、任意組織のまま集落営農ではなく法人化することが必要です。
ただし、集落営農を法人化する場合は越えなければならないハードル、課題もありますから、これらの課題をあらかじめ理解することが必要です。
次に説明するメリットは、集落営農を法人化することによる一般的なメリットです。
(1) 集落営農型法人の経営上のメリット(協業経営のメリットでもある)
① 農地の利用集積が可能になり、人的・機械的な作業効率が大幅に向上する。
② 経営の一本化で機械・施設の償却費を大幅に削減できる。
③ 収穫した米の個人別仕分けが不要で、乾燥・調整・保管等の作業の効率性が向上する。
④ 農地の利用計画の自由度が高まり、収益性の高い農地利用が可能になる。
⑤ 水管理も水系ごとに団地管理が可能。農地も個別に分割する必要がなく作業効率が向上する。
⑥ 作業効率の大幅な向上により、他部門の導入や販売への取り組みなど、経営の多角化が可能。
⑦ 稲作以外を本作とする農家は、本作への専念が可能。
⑧ 作業の分業化によって、構成員それぞれの適正や労力(体力)に応じた役割や作業の分担が可能。
⑨ 構成員のもつ専門的技術・知識が活かされる。
⑩ 生産履歴が明確でまとまりのある農産物生産が可能になり、有利販売につながる。
(2) 法人一般の経営上のメリット
① 経営管理能力の向上
② 対外的・社会的な信用力の向上
③ 農業従事者の社会保険等の福利厚生の充実
④ 後継者の円滑な確保や就農者の受け皿機能

2 制度上のメリット
(1) 法人一般の制度上のメリット
① 税制面での優遇
●所得の分配による事業主への課税軽減
●役員報酬の給与所得化による節税
●使用人兼務役員賞与の損金算入
●退職給与等の損金算入
●欠損金の7年間繰り越し控除(青色申告法人に限る)
(2) 農業生産法人のメリット
●農業経営基盤強化準備金
農業経営基盤強化準備金制度は、平成19年度税制改正によって創設された制度です。 農業経営基盤強化準備金制度では、青色申告をする認定農業者の農業生産法人が、交付 を受けた水田・畑作経営所得安定対策(品目横断的経営安定対策)交付金等を基礎とし て計算した積立限度額以下の金額を農業経営基盤強化準備金として積み立てた金額につ いて、損金に算入します。積立ての対象となる交付金は、
① 水田・畑作経営所得安定対策(品目横断的経営安定対策)、
② 米政策改革推進対策(産地づくり交付金等)
③ 農地・水・環境保全対策(営農活動支援)です。
また、農用地又は農業用の一定の機械その他の減価償却資産(以下「農用地等」とい う。)の取得等をして農業の用に供した場合は、農業経営基盤強化準備金を取り崩すか、 直接、交付金等をもって、その農用地等について圧縮記帳をすることができます。農業 経営基盤強化準備金は積立事業年度から5年経過した事業年度(6年目)に取り崩して 益金算入することになります。
(3) 農事組合法人のメリット
●農業に対する事業税の非課税
農業生産法人である農事組合法人が行う農業については事業税が非課税になっていま す。ただし、農産物の仕入販売や農産加工、施設畜産は、非課税となる農業の範囲から 除かれます。また、農作業受託は、原則として非課税の対象から除かれますが、その収 入が農業収入の総額の2分の1を超えない程度のものであるときは、非課税の取扱いが なされています。
●留保金課税・特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の不適用
農事組合法人は、組合法人であり会社法人ではないので、同族会社に対する留保金課 税(特別税率)や特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度は適用されません。
●従事分量配当等の損金算入
協同組合等に該当する農事組合法人が支出する従事分量配当の金額は、配当を支出し た事業年度ではなく、配当の計算対象となった(事業に従事した)事業年度の損金に算 入します。また、従事分量配当は、事業に従事した(役務の提供を受けた)課税期間に おいて消費税の課税仕入れとなります。
法人税法上、農業経営の事業(2号事業)を行う農事組合法人で事業に従事する組合 員に対し給料、賃金、賞与その他これらの性質を有する給与(いわゆる確定給与)を支 給するものは普通法人となり、それ以外は協同組合等として取り扱われます。
なお、利用分量配当(事業分量配当)は共同利用施設の配置等の事業(1号事業)に 対応するもの、従事分量配当は農業経営の事業(2号事業)に対応するものです。協同 組合等に該当する農事組合法人の場合、利用分量配当(事業分量配当)も損金に算入し ますが、共同利用施設の設置などの事業を行わず、農業経営のみを行う農事組合法人は、 利用分量配当を行うことはできません。
一方、従事分量配当は、組合員にとっては事業(農業)所得となります。また、従事 分量配当は、組合員にとっては消費税の課税売上げとなりますが、組合員が免税事業者 の場合には、実際の納税負担はありません。
●その他
①新たに組合員になる者が支払った加入金の益金不算入、②法人の設立などにかかる 登録免許税の免除、③不動産取得税の特例、④出資証券の印紙税の非課税があります。
また、協同組合等の場合、法人税の税率が、課税所得金額が800万円を超える部分に ついても22%で変わらないほか、事業税の税率も400万円を超える部分について6.6%(普 通法人は800万円以下7.3%、800万円超9.6%)と軽減されています。

 

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