Q9 法人化を成功・発展させる条件、留意事項 集落営農組織を法人化する場合、どんなことに留意しなければならないですか。

法人は「ゴーイングコンサーン(継続企業体)」と言われています。コメをはじめとして農産物価格が低迷している中、集落営農組織を法人化して経営を継続させていくためには、以下の事項について役員・出資者全員が十分理解しておかなければなりません。

1 なぜ法人化するのか
-ビジョン・目標と合意形成が重要-
法人化は経営発展の手段です。重要なのは将来ビジョン・目標を合意の下に明確に掲げ、それを実現していくための手段が法人であると位置づけることです。
組織の成立要件は、①共通目的、②貢献意欲、③コミュニケーション、といわれています。集落営農組織は多くの農家で構成されますので、将来ビジョン・目標が「共通目的」であり、構成員個々が経営発展・継続への「貢献意欲」を持ち、役員相互・役員と構成員の「コミュニケーション」の円滑化を図ることが必要です。

2 強力なリーダーの存在とメンバーの積極的な強力
法人の役員・代表者は「経営者」です。したがって、役員・代表者の安易な持ち回りはさけるべきです。
集落営農組織は多くの農家が構成することが多く、つい他人任せになってしまうこともあります。これでは、円滑な法人の運営もできませんから、他人任せにするのではなく、法人を構成する(出資する)メンバーが「自分の会社」という意識と「運命共同体」という共同意識を持つことが重要です。

3 役員としての責務の自覚
法人が投資を行う場合、自己資本や他人資本(他人・金融機関からの借入金)によります。
特に、金融機関からの借り入れの場合、役員が連帯保証をし、法人に担保能力がないと役員が物的担保を提供するととなります。
したがって、役員に就任する者は、このような経営者としての責務を自覚することが必要です。

4 利益の源泉である売上高の確保
現在の集落営農型農業法人(稲作)の経営状況は、売上総利益はプラス、営業利益ではマイナスで、営業外収益を加えた経常利益でプラスに転じるといった状況です。
集落営農型農業法人の場合、「集落」という規模が限定されている中で経営を行っています。現状のままでは地代の見直しや従事分量配当の見直しなどが必要となってきます。農業法人で働いてくれた農家に報いるためには「人件費」の確保は必須です。
そのためには、コメなどの農産物価格の状況を考えると売上高の向上が最重要課題です。
農業の場合、売上高向上には生産量の確保(生産規模の拡大等)、作業量の拡大、販売単価の向上(品質向上・商品の高付加価値化)、販売する商品の拡大などが必要です。
例えば、近隣集落での借地や作業受託、多様な能力をもつ組合員の活用による加工などの経営の多角化、販路開拓等が必要です。
さらに、「直播き栽培」などによるコスト削減にもつとめ、それによる余剰労働力の活用方法を考えていくことも必要です。

 

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