Q10 集落営農組織の法人化の手順 集落営農組織を法人化する場合の手順を教えてください。

集落営農組織を法人化する場合、採用する法人形態が決定すれば、その法人形態の設立手続きにしたがって法人を設立します。しかし、集落営農組織を法人化する場合、その前段階の手順が重要で、なかでも「事業目論見書(事業計画・経営計画)」と「定款」は法人の運営を左右するものです。

【集落営農組織の法人化の手順】
1 これまでの取り組みの評価と組織再編成のための合意形成
集落営農組織を法人化する前に、これまで取り組んできた任意組合の活動の評価が必要です。
従来の活動のままで法人として経営できるのか、不足する点はないのか、強化するところはないのか、など組織再編に向けて従来の活動の点検を行います。
そして、新たに法人化するための合意形成を行います。

2 法人設立のための発起人会の結成
法人という、新たな組織を立ち上げるわけですから、その組織と集落の農業・農地の方向付けを行うのが発起人です。
今後、5年・10年、それよりももっと長く経営を続けるために、どのような組織を作って行くのか、組織デザインを任せられる人材を集落の中から選任します。
できるだけ若く、今後の経営を任せられる人材や集落内で人望の厚い人、会社経験のある人などを選任しましょう。

3 事業目論見書の作成
新たな組織の事業計画・経営計画を作成します。
(1)事業目論見書の重要性
この事業目論見書が大変重要なポイントです。
後日、集落の農家を集めて開く、「事業(法人)説明会」の中心資料となるもので、集 落の多くの農家から出資してもらおうということであれば、ある程度の目算が立たなけ れば出資もしてもらえません。
特に、設立趣旨・経営目的(事業方針)と経営収支計画については、充分検討する必 要があります。
設立趣旨・経営目的(事業方針)は「集落の農業・農地の将来ビジョン」にあたるもので、なぜ法人を設立するのか、どういう法人を設立するのか、どんな経営を目指すのか、といった点を文章で表現し、未来の集落の姿を明確にすることが重要です。さらに、経営収支計画は売上げを厳しく見積もり、費用は多めに見積もってみます。その結果、赤字になるようであれば、赤字を埋めるためにどうするのか、といった点も検討していきます。
(2)事業目論見書の項目
① 設立趣旨・経営目的(事業方針)
② 法人の名称(仮称)
③ 事業の目的
④ 資本金(出資金)の額
⑤ 構成員(出資者)の範囲
⑥ 事業規模
・5カ年程度の経営内容を明確にします。
⑦ 経営収支計画
・現在の任意組合の収支状況を参考に、損益計算書の様式にしたがって、5カ年程    度の損益計画を算定します。
・特に、従事者への労働報酬の支払ルールや支払形態(給与か従事分量配当[農事    組合法人の場合]か)、剰余金の処分方法もあらかじめ決めておきましょう。

4 法人の形態選定
農事組合法人(農協法)か、株式会社等の会社法人(会社法)を経営目的にしたがって選択します。

5 定款の作成
法人の形態によって、定款は異なります。
農事組合法人であれば、農林水産省が示す「模範定款」がありますし、株式会社でもモデル定款があります。
定款を作成する場合は、一条ずつどういう意味なのかを理解しながら、設立しようとする法人に適合するかどうかも含めて検討します。
【定款作成上のポイント】
① 法人の名称
② 本店(事務所)所在地
③ 事業の目的
④ 出資者と出資金額
(農業生産法人要件に留意する)
⑤ 資本金額
⑥ 役員
(農業生産法人要件に留意する)
⑦ 総会開催時期
⑧ 営業(事業)年度
⑨ 剰余金処分の方法(特に農事組合法人の場合)

6 集落の農家への「事業(法人)説明会」の開催
事業目論見書と定款(案)ができた段階で、集落の農家を集めて「事業(法人)説明会」を開催します。
発起人がどんな法人を、どういった理由で設立しようとしているのかを理解してもらいます。そして、一人(一戸)あたりの出資額を明示して、設立同意を求めます。
農事組合法人の場合は、この段階で「設立同意書」と「出資引受書」を作成し、同意者に提出を求めますので、株式会社であっても、書面で同意を確認した方がいいでしょう。
なお、資本金(出資金)は法人の設立当初の運転資金ですから、一人(一戸)あたりの出資額については、経営面積割や均等割などを組み合わせて計算します。
もし同意が得られずに資本金(出資金)が集まらなかった場合は、経営内容を再検討して考えるのか、当初の見積額どおりの資本金(出資金)になるように再度調整するのかも再度調整するのかもあらかじめ決めておきましょう。

7 役員の選任
当初の役員には通常、発起人が就任することが多いようです。

8 法人形態別の設立手続
農事組合法人・株式会社の設立手順にしたがって、設立事務を進めます。

 

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