Q15 税制 農地を法人に移管した場合の贈与税について教えてください。

贈与税の納税猶予制度の概要は以下のとおりです。

1.制度の趣旨
農業経営の基盤である農地の細分化を防ぎ、農業後継者に農業経営の円滑な継承を行うことを目的にした制度です。

2.制度の主な内容
(1)農業経営者が農地等を一括贈与した場合は、一定の要件のもとに、農地等に係る贈与税が、その農地等の贈与者または受贈者の死亡の日まで納税猶予されます。

(2)贈与者または受贈者が死亡したとき、納税猶予されていた贈与税が免除されます。

(3)贈与者の死亡により贈与税の免除を受けた場合には、改めてその農地等を贈与者の相続財産とみなして、相続税の計算を行います。

(4)(2)の免除を受ける前に、受贈者が農業経営の廃止や農地等の譲渡、転用または農地等への使用貸借権、賃借権等の権利を設定させた場合には、納税猶予されていた贈与税の全部または一部を利子税とともに納付しなければなりません。

3.贈与税の納税猶予制度と相続時精算課税制度
(1)相続時精算課税制度とは、受贈者の選択により、一般の贈与税制度(暦年課税制度)に代えて、贈与時に贈与財産のうち2,500万円を超える部分について一律20%の贈与税を支払い、その後の相続発生時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額をもとに計算した相続税額から、すでに支払ったその贈与税を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税をすることができるという新しい制度です。適用対象者は、贈与者が65歳以上の親、受贈者は20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む)であり、贈与する財産は特定されていません。

(2)贈与税の納税猶予制度では、その適用者が推定相続人のうち一人にしか認められていません。また農地等の一部贈与の場合の適用もありません。相続税精算課税制度では、適用対象財産に制限がなく、農地であってもそれを分割して贈与することも、複数の推定相続人に対する贈与であっても、贈与が可能となります。

(3)農地の贈与を考える場合には、今後の農地の活用方法や相続財産の分割方法等を検討したうえで、農業後継者に一括して贈与するのがよいのか、推定相続人の複数の者に分割して贈与するほうがよいのか、税金の負担も考慮して判断する必要があります。

4.農地を法人に移管した場合
相続税の納税猶予制度と同様の取り扱いです。特例農地等を譲渡や転用等をした場合、納税猶予されていた贈与税額の「全部打ち切り」に該当または「一部打ち切り」に該当の判定は、原則、「20%基準」が用いられます。ただし、農業生産法人に現物出資した場合は、一定の要件のもと、「20%基準」の対象外となり、その現物出資に係る特例農地等の価額に対応する部分の納税猶予額の納税だけでよいことになります。

 

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