Q17 税制 農地を法人に売買した場合、売り手(個人)と買い手である法人にかかる税金について教えてください。

1.個人の譲渡所得税(1)譲渡所得税の概要(イ)譲渡所得とは譲渡所得とは、売買・交換・競売・現物出資・代物弁済・権利変換・財産分与・代償債務の履行・贈与・寄付など有償取引、無償取引を問わず資産の譲渡による所得をいいます。譲渡所得は、資産の種類により、他の所得と分離して課税される分離課税、他の総合課税となる所得と併せて課税される総合課税として課税されます。

(ロ)分離課税と総合課税分離課税の対象となるのは、土地等(借地権を含みます)、建物等(構築物を含みます)の譲渡や有価証券の譲渡(ゴルフ会員権、先物取引を除きます)です。総合課税は、分離課税の対象となる資産以外の資産、具体的には、機械・船舶・車両・器具備品・特許権・ゴルフ会員権等が対象です。なお、生活の用に供する家具・什器・衣服等のように、生活に通常必要な動産の譲渡による所得は非課税とされています。

(ハ)譲渡所得の金額の計算譲渡所得は、次の算式により計算されます。

譲渡収入-(取得費+譲渡費用)- 特別控除の額 = 譲渡所得の金額

譲渡収入とは、資産の譲渡により収入すべき金額です。譲渡の対価が、金銭以外の物や権利その他経済的利益である場合には、それらの時価が収入すべき金額となります。取得費とは、その資産の取得に要した金額、設備費及び改良費の合計額をいいます。相続により取得した資産等で取得費が不明な場合は、譲渡収入の5%を取得費とします(概算取得費といいます)。譲渡費用とは、資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記・登録に要する費用等その譲渡のために直接要した費用をいいます。特別控除の金額は、総合課税の譲渡は最高50万円、分離課税の譲渡は、収用等の特別控除5,000万円、居住用財産の特別控除3,000万円など複雑になっています。長期譲渡所得の特別控除100万円は、平成16年の税制改正(平成16年1月1日以後の譲渡)において廃止されました。

(ニ)分離課税の長期・短期の区分と適用税率長期譲渡所得とは、個人がその譲渡の年の1月1日において、その譲渡資産の所得期間が5年を超えるものをいいます。所有期間5年以下の資産の譲渡は、短期譲渡所得となります。長期譲渡所得には、所得税15%住民税5%、併せて20%が他の所得と分離して課税されます。短期譲渡所得には、所得税30%住民税9%、併せて39%が他の所得と分離して課税されます。総合課税の譲渡所得は、その個人の総所得に応じて課税されます。

(2)農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除農地等を農地保有の合理化等のために譲渡した場合に、一定の要件を満たすときは、課税所得から最高800万円が特別控除されます。申告の際、確定申告書の2面に適用条文「粗放34条の3」と記入するとともに譲渡所得計算明細書及び農地保有の合理化等のために農地等の買い取りに該当する旨を証する書類を添付しなければなりません

(3)農地の譲渡所得の帰属年分譲渡所得の総収入金額を収入とすべき時期は、譲渡した資産の引き渡しが会った日によることとなっていますが、その譲渡に関する契約の効力発生の日に総収入金額に算入して申告があったときは、これを認めることとしています。

(4)農地等を現地出資した場合の譲渡所得の収入金額現物出資に係る譲渡所得の収入金額は、現物出資した農地等の時価ではなく、取得した株式(出資金)の時価により算定します。

2.法人の不動産取得税 (1) 不動産取得税の概要不動産取得税とは、不動産の取得に担税力を見出して、その不動産の所在する都道府県において課税する流通税で、納税義務者は不動産を取得する個人及び法人になります。したがって、相続による不動産の取得等の例外を除き、不動産が流通(所有権の移転等)をした場合に課税されます。原則として、取得した不動産の固定資産税評価額の3%が税額となります。平成15年3月31日以前に不動産を取得した場合、税率は4%(ただし、住宅の税率は3%)となります。

(2) 農地保有合理化法人の農地の取得に係る納税義務の免除農地保有合理化法人が、農地売買等事業に適当な土地を取得した場合において、これらの土地をその取得の日から5年以内にその事業の実施により売り渡しや現物出資等をしたときは、これらの土地の取得に係る納税義務が免除されます

 

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