Q35 法人会計 法人化に伴い、会計制度が複雑と聞きますがどのようなものですか。

1 複式簿記記帳は必須
個人経営から法人経営に変わることに伴い、会計上で大きく異なるのは、複式簿記記帳が必須となることです。企業の一定期間の営業活動の成果(経営成績)と財産状態(財政状態)を明らかにする必要があるためです。
このため、少なくとも役員は複式簿記を理解しておく必要があります。
税理士に会計処理を一定期間単位に委託することも一つの方法ですが、月々の資金管理を適正に行うためには、法人が自ら会計処理をする必要があり、決算時に税理士の指導を受ける形態が望ましいと考えます。

2 企業会計上の利益と法人税法上の所得の違い企業会計上の利益と法人税法上の所得は異なり、

(1) 法人税法上の加算項目の例
ア 益金算入
・国庫補助金等の取り崩しの益金算入
・退職給与引当金の目的外取り崩し額の益金算入
イ 損金不算入
・減価償却資産の減価償却費及び繰延資産の償却費の償却超過
・過大な役員報酬、役員賞与、過大な役員退職給与の損金不算入
・一定の限度額を超える寄付金及び交際費等の損金不算入
・法人税等の損金不算入
・貸倒引当金等の各種引当金の繰入限度額を超える額の損金不算入
(2) 法人税法所の減産項目の例示 
ア 益金不算入
・受取配当金等の益金不算入
・資産の評価益の益金不算入
・法人税等の還付金の益金不算入
イ 損金算入
・繰越欠損金の損金算入
・収容等の場合の所得の特別控除

3 事業主報酬の損金算入
個人経営では事業主報酬が所得税対象となりますが、法人においては事業主報酬は損金として扱われます。ただし役員賞与や、過大な役員報酬は損金として取り扱われませんので注意が必要です。

4 純損失の繰越
青色申告の場合は、事業(農業)所得の金額に計算上生じた損失(赤字)の金額を一定の順序に従って損益通算し、なお控除しきれない金額(純損失の金額)がある場合は、個人では3年、法人では5年となります。
ただし、青色申告をするためには、事前に税務署に申請をし承認を得ておく必要があります。

 

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