Q48 設立の手順と事前準備 設立に当たっての手順や事前準備はどうするのですか。

1 設立手順
法人の形態が決まれば、いよいよ設立です。農事組合法人は株式会社より少し手続きが簡略化されていますが、ほぼ同じ手順で進みます。手続きは自分でやってもいいし、司法書士などに依頼することもできます。
以下、農業法人(農事組合法人、株式会社の場合)の設立について図の流れにしたがって解説します。

●事業目論見書の作成
法人を設立するのに欠かせないのが、事業目論見(事業計画)書の作成です。どれだけの規模でどんな事業をするのかについて入念な計画を立てます。

●定款記載事項を検討
実際の設立手続きに入る前に、法人の憲法ともいえる定款の記載内容を十分に検討します。事前の準備さえしっかりできていれば、あとは法務局など行政上の手続きだけです。
設立の準備をする人を設立発起人といいます。株式会社では、1人以上、農事組合法人は3人以上の農民となっています。

●商号(名称)の案を考える
商号(名称)は法人の名前です。法人を対外的にアピールするものですから、イメージがよく、業務内容がわかるような名前がよいでしょう。

●事業内容の決定
事業目的(内容)に記載された範囲内の事業しか行うことができませんので、あまり具体的に細かく書くより「野菜類の生産、販売」など広く解釈できるようにした方がよいでしょう。農事生産法人の場合には、事業要件を満たす必要があるので注意が必要です。

●資本金額の決定と準備
株式会社、合同会社等の資本金の額に制限はなく、農事組合法人においても出資額の制限はありません。

●農地利用についての事前相談
農地を利用する農事生産法人であれば、農地法の許可や農業経営基盤強化促進法の手続きが必要です。設立登記が終了してから正式な許可申請を行いますが、発足後ただちに事業(農業)を始める必要があるため、農業委員会や市町村の関係部局に事前に相談しておくとよいでしょう。

●設立手続きの日程を立てる
通常2週間程度かかりますが、日数の制限はありませんのでもっと短縮することも可能です。設立登記申請日が法人設立日になります。

3 設立手続き開始
実際は定款案の作成まで事前に行いますが、定款の認証を受ける前に定款記載事項である商号に類似のものがないかどうかを法務局で調査をしてから正式な定款を作成します。

●類似商号の調査
会社法改正によって、同一市長村内において、同一営業で類似商号の会社の登記を制限する規定は廃止されました。しかし、本店所在場所を同一とする会社の、同一の商号の登記は依然認められていません。また、不正競争防止法によって、類似の商号を使用することは「不正競争」に該当し、規制を受ける可能性があります。したがって、事前に既存の会社に類似する商号が使用されていないかどうかを、法務局において調査しておくべきです。

●社印の発注
商号が決まったら、設立登記の申請に間に合うよう社印を発注しましょう。

●印鑑証明の準備
株式会社の場合、定款の認証には発起人全員の印鑑証明書が必要です。さらに株式会社設立登記の申請には、設立時、取締役について各1通必要となります。また、農事組合法人設立登記の申請にも、理事について印鑑証明書が必要になります。

●定款の認証(農事組合法人は不要)
商号が決まり、定款を作成したら公証人役場で定款の認証を受けます。

●株式会社の設立手続き
株式会社を設立する方法としては、「設立に際して発行する株式」を発起人が全部引き受けてなす方法(発起設立)と、発起人が一部引き受けて残りを株式引受人を募集してなす方法(募集設立)の二つがあります。ただ、募集設立の場合には、手間がかかるため、実際上の株式会社のほとんどは発起設立によっています。
発起設立においては、定款作成に関わる手続きの後、株式を引き受けた発起人による出資の履行がなされます。払い込み先は一定の金融機関に限られます。また、発起人の引き受けた株式の議決権の過半数をもって、設立時の取締役等の役員を選任します。選任された取締役等は、金銭出資の払い込み等の設立手続きについて調査することになります。

●農事組合法人の設立手続き
農事組合法人を設立するには、定款作成後、創立総会を開催し、理事などの役員を選任します。そして、理事は、組合員に出資の第1回の払込みをさせることが必要です。払込先については、特に制限はありません。

●設立登記の申請
出資金の払い込みが終了すると、2週間以内に設立登記の申請を本店の所在地を管轄する法務局に提出します。申請は原則として代表取締役(いなければ取締役)、代表理事が行うことになっていますが、代理人でもかまいません。法務局は申請を受け付け、審査をして(補正事項があれば補正を指示)受理し、登記が完了します。登記の申請日が法人の設立日です。

●知事への届け出(農事組合法人のみ)
農事組合法人は設立登記完了後、都道府県知事に設立の届け出が必要です。

4 設立後の諸官庁への届け出
法人が正式に発足したら、2ケ月以内に登記簿謄本と代表取締役あるいは代表理事の印鑑証明書を取得し、必要な書類とともに税務署や労働基準監督署、公共職業安定所、社会保険事務所などの関係機関に提出します。
届け出に必要な書類は各機関で確認してください。

※ 注意
設立準備にかかった費用や設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために要した費用は、支出時に損金算入するか、または繰延資産に計上してその償却費を損金算入することが認められます。

 

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