Q78 生産販売に係る制度 法人設立後、農産加工品の製造に取り組むことにしていますが、PL法(製造物責任法)で留意することは何ですか。

1 PL法(製造物責任法)
PL法は、製品の欠陥により、消費者が人的もしくは物的被害を被った場合の損害賠償責任を、製造者に保証させるところにあります。すなわち、消費者が安心して生活できる社会を構築させるとともに、製造者に対して製品の安全性チェックの徹底を促せるための法律と理解できます。

2 PL法の特徴
製品の安全性チェック、損害賠償責任という概念は、PL法施行前は、民法709条の「不法行為責任」が担っていました。この場合、被害者は製造者の過失を綿密に立証する必要があり、その立証の困難性が問われていました。
これに対してPL法では、製品に欠陥があるという事実を立証しさえすれば、損害賠償を請求できるようになっている点が大きな特徴です。

3 農業におけるPL法
PL法では製造物の範囲を「製造または加工された動産」と位置づけており、通常の農産物はPL法の対象外となります。
しかし農産物を、若干とはいえ加工した場合においてはPL法の対象となることがあります。例えば、乾燥処理は未加工品として認識されますが、これは自然の力によって天日乾燥した場合であって、これを機械力で人工的に乾燥した場合においては、その農産物は限りなく加工品に近いものとして認識されることになります。
PL法ではこの具体的な線引きが行われておりませんが、加工、未加工の例は以下のとおりです。

○ 加工(対象)
加熱(煎る、煮る、約、ゆでる)
味付け(塩味、塩漬け、燻製)
粉挽き、搾汁等
(例)缶詰、食用油、マーガリン、お菓子、冷凍食品、ハム、小麦粉、ジュース等の加工食品
○ 未加工(対象外)
何も手が加えられていないもの
単なる切断、冷凍、冷蔵、乾燥等
(例)野菜、果物、肉、魚等の生鮮品(未加工畜産物)
※ 損害賠償の例
・食品を食べたら異物により歯が折れた
・食品を食べたら食中毒により入院・治療した
・食品の袋やふたをあけたとき袋やふたの不備により衣服が汚れてクリーニングに出した
(単なる食品の異味、異臭、カビ、包装の破れは対象にならない)

(日本農林規格協会資料から)

 

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